光のいろは

光を基礎から知るブログ

比視感度とは

比視感度

エネルギがいくら高くても人間には見えない光がある。

人間の眼は、明るい環境では555nmの緑の波長に最も効率よく反応し、400nmの紫色より短い波長と700nmより長い波長は全く反応しない。

また、人間の眼は暗い環境で活発に反応する桿体(かんたい)細胞と、明るい環境で活発に反応する錐体(すいたい)細胞の2種類があるため、暗いところでは青色の光を明るく感じ、明るいところでは赤色をより明るく感じる。

映像機器で被写体を記録する場合、この比視感度が非常に重要になる。

なぜなら、フィルムカメラもビデオカメラも人間の眼に見える如く記録しなければならない宿命上、人間の目の感度特性に合わせたフィルム感光乳剤やビデオカメラ光電面を開発しなければならないからである。

CCDカメラが出始めた頃、CCD撮像素子が赤に強い感度があったためわれわれが見慣れている像とは違った像が写し出されていた。

たとえば人の顔を映したとき虹彩が薄く見えたり、ヒゲが濃く写ってしまっていた。

この不具合をなくすため白黒CCDカメラでは赤外線ブロックフィルタがCCD撮像素子の前に装着されている。

反面、物理工学の研究分野では、肉眼を越えた波長域(たとえば、赤外、紫外、X線)で感度をもつ記録媒体の要求がある。

黒体と比視感度特性を用いてエネルギ量と光度の関係を解析した結果によると、比視感度の最も高い波長である555nmで、光エネルギ1Wが光束683lmに相当することが確かめられた。

 

1〔W〕(at 555nm)= 683〔lm〕

 

この関係は、エネルギ量単位と光度単位を行き来する上で極めて重要な関係式となっている。

物理学の発達により、光をエネルギとしてとらえたいという要求が高まり、「明るさ」もエネルギ単位で表す方向に移りつつある。

光の明るさ」で触れた光の明るさの定義も、1979年10月11日パリで開かれた第16回度量衡総会では光度の単位を以下のように取り決められた。 

www.optlabo.work

 

「1cdは、光の周波数540×1012Hzにおいて問題とする方向の放射強度が1/683(W/ステラジアン)である光源の特定方向への放射強度とする」

この定義の大きな特徴は、従来、黒体の発光放射光(連続した光)で光を定義していたのに対して、特定の波長についてのみのエネルギ単位量でカンデラ(光度)を定義したことである。

つまり単位立体角に放出される波長555 nmの光が1/683Wであるとき、これを1カンデラと定義する、というのである。

光度が温度によって定義されていたのが、波長とエネルギ量で規定する決まりになったのである。

この定義にもとづいて、光束は波長555nmで683lm/Wとなったのである。

この値をもとにして比視感度特性の係数から波長のエネルギと光の単位であるルーメンの換算ができるようになった。

 

1W(λ)=K(λ)×683 〔lm〕

 

比視感度曲線

比視感度曲線

比視感度表

比視感度表