電気の光
電灯の起源は、1808年、イギリスの化学者、ハンフリー・デービー(ファラディーの恩師)が発見した弧状(アーク)を描く電光に始まる。
ヴォルタ電池の両極から出した2本の針金の先に、それぞれ固い木炭片(炭素)を結びつけて、その両端を少し離して置いた。
するとその間に、眼も眩むような焔の弧がかかり燦然たる光を放ったといわれる。
これは、弧灯電灯(アーク灯)と名付けられた。
アーク灯の陽極の炭素は高温になるため蒸発し、また空気中の酸素と化合して消耗するため、毎日のように炭素棒を取り替える必要があり高い経費を必要とした。
また、アークの光が強すぎ、かつアークが一定せずにちらちらと揺れ動くことが大きな
欠点だった。
電気による灯りとして一般的な白熱電灯の研究は、30年後の1840年代頃から始まった。
ドイツではハインリッヒ・ゲーベルが、イギリスではジョセフ・スワンが、ロシアではアレクサンダー・ロディギンが研究者として知られている。
実用化に耐える白熱電球を完成させたのは、米国人のトーマス・エジソンである。