光のいろは

光を基礎から知るブログ

完全拡散面とは

完全拡散面

自ら光っているものと、周りから照らされて明るくなっているものとでは、両者の明るさを比較するにはどうしたらいいか?

照度(ルクス)と輝度(ニト)の両者を比較する手っ取り早い方法は、輝度計(スポットメータ、なければデジタルカメラの露出機構)で双方を測定すれば、数値で両者を比較することができる。

建築関係者は、アポスチルブという単位で測定しているようである。

その理由は、被写体をすべて完全拡散面と見なすと、輝度(アポスチルブ)の数値が照度(ルクス)と同じ数値になるので換算がしやすいためと思われる。

1960年代の写真カメラの露出計にはアポスチルブ表示のものが使われていた。

写真関係者は、輝度はnt(ニト)、照度はlx(ルクス)、それにカメラの露光条件にはEV値を使用している。

輝度と照度の関係式を見るとき、光源に照射されて反射する面は、完全拡散面であるという条件のもとで「照度と輝度」で示したように、下記の関係式が導き出されている。

 

 

www.optlabo.work

 

 B=K×E/π

  B:輝度〔cd/m2〕、K:反射係数、E:照度〔lx〕

完全拡散面は、輝度を扱う上で大事な考え方である。

現実にはこのような完全拡散面は少ないのであるが、便宜的にこの考えを導入して輝度の考え方を統一させている。

完全拡散面の考え方はランベルトという学者が導入した。

完全拡散面というのは、発光体のどの方向から見ても輝度の等しい表面をいう。この拡散面は、に示すように、In・cosθの光度分布をもった(拡散面をもつ)理想の面で、この条件を満たすものをランベルトの余弦則という。

完全拡散面

完全拡散面

 d Iθ = d In ・cosθ

 

Inは、拡散面と垂直方向の光度で最も値が高い数値である。

dというのは微小面についてとらえるという数学的な記述法である。この余弦則に従うと完全拡散面の光度の軌跡は球面になる。

完全拡散面は、上記のような条件を満足させる仮想的な面であるが、この条件に近いものとして良質の乳白色ガラス(オパールグラス)、厚く塗布された酸化マグネシウム、硫酸バリウム、澄み切った青空、一様に雲のかかった空などがこれに相当する。

不思議なことに月も完全拡散面と見なすことができる。

満月は一様に輝いていて(クレータ部などの凹凸は別)周辺部で明るさが低下することがない。

完全拡散面では、拡散面から放射される輝度B(cd/m2)と光束発散度M(lm/m2)には、下記の関係式が導き出される。

 

 M=π×B
  の関係があり、光束発散度と入射照度は同じなので、
 E=π×B

輝度の表し方にはたくさんの言い方があるので、理解しずらい面が多いと思う。

輝度の表し方は、いろいろな人たちが自分たちで使いやすいように使っているというのが実際のところである。

輝度の基本単位は、単位面積当たりの光度で表し(cd/m2)、この単位をn(t ニト)と呼んでいる。

発光面を完全拡散面と見なしてπの補正を加えた輝度はアポスチルブ(asb、もしくはラドルクス)と呼んでいる。

映像情報の分野では、輝度の単位(cd/m2)と簡単な呼び名nt(ニト)、それと照度lx(ルクス)との換算をおさえておけば十分だと考える。

輝度は、蛍光面の明るさ、ランプの明るさ、スクリーンの明るさを表すときに使われる。